ぶつぶつ---河内屋の相場独り言---ぶつぶつ

(20)ナンピン素寒貧

「350円で買って、340円で買って、330円で買って・・・」
こういうのが「買い下がり」です。
「ナンピン」ともいいますね。
エントリーにおいて、この「買い下がり」「売り上がり」という手法を使うことについて考えてみたいと思います。

この手法のメリットは何でしょうか。
最大のメリットは
「厳密なエントリー価格の設定が不要である」
ということでしょう。
「このあたりの価格は、いくらなんでも売られ過ぎやろ」
という相場観を持っていたとき、「点(一本の価格)」でエントリーする必要はなく
「売られ過ぎの価格帯を買う」
という「線」で対応することができますね。
「底」を当てようとしても無理なのはお分かりだと思います。
でも「底近辺」だったらわかるような気がしますよね(笑)

もう一つメリットがあるとすれば
「一回あたりの発注単位が小さくなる」
ということでしょう。
「350円で5枚買う!」
ということには心理的な恐怖感があったとしても、
「350円から310円まで10円ナンピンで1枚ずつ買う」
ということであれば心理的な負担は少ないと思います。

つまり、この手法のメリットは
「楽」
「あいまいさが許される」
ことであると考えられますね。

では、デメリットはなんなのでしょうか。

1)ポジションが大きくなるにつれて含み損も拡大する

350円で一枚買って次に340円で一枚買ったときには、350円の玉は10円の含み損を抱えています。
・ポジションが一枚のときは含み損なし
・ポジションが二枚の時には「-10円」
・ポジションが三枚の時には「-30円」
・ポジションが四枚の時には「-60円」
・ポジションが五枚の時には「-100円」
以降、10円下がるごとに「-150円」「-200円」「-250円」と含み損が増えていきます。

「でも、平均取得単価が下がるから少し上昇しただけで含み損は解消される」
という意見があると思います。
これを考えてみましょう。

平均単価は以下のとおりです。
・350円(350円)
・345円(350円・340円)
・340円(350円・340円・330円)
・335円(350円・340円・330円・320円)
・330円(350円・340円・330円・320円・310円)

確かに単価は五円ずつ低下していっています。
しかし・・・

現在値350円--@350円
現在値340円--@345円
現在値330円--@340円
現在値320円--@335円
現在値310円--@330円

このように現在値との下方乖離が大きくなっていくのですね。
これはとても不利です。

整理してみましょう。

現在値350円--@350円×1枚、現在値から平均単価の乖離「0円」、含み損「0円」
現在値340円--@345円×2枚、現在値から平均単価の乖離「-5円」、含み損「-10円」
現在値330円--@340円×3枚、現在値から平均単価の乖離「-10円」、含み損「-30円」
現在値320円--@335円×4枚、現在値から平均単価の乖離「-15円」、含み損「-60円」
現在値310円--@330円×5枚、現在値から平均単価の乖離「-20円」、含み損「-100円」

ポジションが大きくなるにつれて、
・平均単価は現在値から離れていく
・含み損が加速度的に増加する
という特徴があります。

2)価格が有利な方向に変動したときにはポジションが小さい

「350円から310円まで買い下がろうと考えていたにもかかわらず、350円を底にして上昇しちゃった」
なんてことはありませんでしょうか。
底値で一枚買えたのはよかったのですが「たった一枚だけかよ・・・」ってことになりますよね。

つまり、この手法は
・有利な価格変動には小さなポジションで、
・不利な価格変動に対しては大きなポジションで
対応するモノであるといえます。

3)損切りがしにくい

350円の時点で
「そろそろ底やろ」
「安すぎるで!!」
と思って買ったのですよね。
じゃあ、330円ではどう考えるでしょうか。
「もっと割安になった!バーゲンセールじゃ~!!」
と考えますよね。
では、310円では・・・
「天与の買い場じゃ~!!!」
となるのが普通です。
じゃあ250円は?200円は??100円では???

「割安だ!売られ過ぎだ!!買い場だ!!!」
と考えていながら損切りをするというのは非常に困難です。
ヤラレているポジションをズルズルと持続しがちになってしまいます。

4)「九勝一敗」で退場になる

「損切りがしにくい」ことと関連します。
この手法では価格が不利に動くと、
・ポジションが増加する
・含み損が増大する
・さらに「割安感」が増加する
となってしまいます。
一言でいえば「どうしようもない」という状況です(笑)
「いやいや、どこかで反転上昇するだろう」
「ここで止めたら底値を買えない」
ということで資金いっぱいまでナンピンを続けがちです。
反転上昇することがほとんどだとしても、一度だけでも「下落継続」になると退場になってしまいます。

5)利食いが小さくなる

350円から買い下がって310円まで五枚買ったとします。
「350円は売られ過ぎ」と考えていたにもかかわらず310円まで下がったのですね。
「なんでじゃ!?おかしいやないか!!」
「ひょっとしてワシが間違っているんか!?」
という心理を押し殺して買い下がっていったことでしょう。
五枚の玉を抱えたまま310円から400円間で上昇するのを待てるでしょうか。

270円までナンピンを続けたとします。
心理的には、
「この含み損がなくなったら手仕舞いしよう・・・」
と「楽になる」ことばかりを考えてしまうのではないでしょうか。
平均単価近辺で手仕舞いをして、
「助かった~」
と胸をなでおろすのが関の山ですよね(笑)

また上でお話をしましたように、
「ワシが思ったように350円を底値にして上昇し始めたぞ!!」
というときには400円でも500円まででもポジションを持続できるでしょう。
でも、一枚しか持ってないのですよね。

どちらにしても「小さな利食い」しかできないのがこの手法の特徴です。

・・・・・・

利食いは小さくなり、損切りはしづらく、常に退場の危険性をはらんでいる。
こういうことから、昔の人はこの手法に対して次の言葉を贈りました。

「ナンピン素寒貧」
  1. 2011/04/22(金) 10:35:30|
  2. 相場小話

プロフィール

河内屋源兵衛

Author:河内屋源兵衛

ブログランキング


日経225先物 ブログランキングへにほんブログ村 先物取引ブログ 日経225先物へ
にほんブログ村

価格

ニュース

RSS表示パーツ

よく読まれている記事

検索ワード

河内屋流相場の基本

このブログをリンクに追加する

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム

ブログパーツ レンタルCGI